全国学力テストにも出題された「フィルターバブル現象」って御存知ですか? 

日進市で、主に日進西中学校の生徒を中心に、生徒みずから主体性を持って学び、自分のペースで勉強できる、ICTを活用した自立学習による学びの場を提供している、セルモ日進西小学校前教室 塾長の西尾です。

 

昨日は全国学力テストでしたね。

目次

全国学力テストにも出題された「フィルターバブル現象」って御存知ですか?

昨日、全国の小学6年、中学3年生を対象に、全国学力テスト が行われました。
(問題はこちらから確認いただけます。)

 

今年の中学3年の国語に、「フィルターバブル現象」について考えてもらう問題がありました。

 

フィルターバブル現象については以下のように簡単な資料で紹介されていましたが、スマホやPCでいろいろ検索した経験のない子にとっては、説明だけを読んでもピンと来なかったかも知れませんね。

 

日々のテクノロジーの進化の中で、こうした新しい考えや現象などは、どんどん増えていきます。

そうした未知の概念に対して、上記のような説明を読んで現象について、理解できるかが問われていました。

 

今後、大学入試の共通テストや高校入試などでも、こうした新しい概念や、まだ馴染みが薄いものに対して、説明文を読んだだけで理解できるかどうかを問われるような問題が増えていくのかも知れませんね。

 

学校で習うものだけを覚えればいいという「暗記中心」の学びではなく、新しい概念すらその場で理解する「柔軟な思考」が求められているのだと考えます。

 

気をつけたい現象として、スマホの教科書にも「フィルターバブル現象」は紹介されていました

現在、入塾特典で、希望者にサイン本をプレゼントしている、こちらの「スマホの与え方・伝え方の教科書」

こちらのP.79~P.81でも、上記の写真のように「フィルターバブル現象」について解説がされています。

 

「フィルターバブル現象」とよく似た図で紹介されていうるのが「エコーチェンバー現象」

どちらも、スマホを通したSNSの世界では意識して気をつけないと行けない現象です。

 

 

SNSのアプリでタップした記事や、Googleなどの検索履歴などは、その運営会社にガッツリ情報として伝わり、その検索や閲覧履歴を元に、似たような情報や記事を推奨(レコメンド)してきます。

 

自分で「見たい情報」を能動的に検索しているつもりでも、実は、広告会社などの「見せたい情報」を見させられているという事が起きています。

こうやって、あるフィルターが掛かった情報の泡(バブル)の中にいて、新しい情報に触れにくくなるのが、フィルターバブル現象です。

 

このフィルターが掛かった泡は、検索履歴や、閲覧履歴、イイねなど、自分の価値観や考え方を元に作られるので、自分の価値観にあった情報の泡に包まれるため、とっても居心地がいいものになります。

ただ、気をつけなければいけないのは、自分で見たい情報を検索しているつもりでも、自分の価値観にあったものしか表示がされず、新しい価値観、異なる価値観にふれる機会が減ってしまうことです。

 

昨日の学力テストの問題でも、本の選び方を題材に、ネットでフィルターバブルの中にいる子と、本屋や図書室などで新しい本と出会う子が、対比されていました。

 

自分が今、フィルターバブルの中にいるので、視野が狭くなっているとか、新しい価値観に出会えてないとかに気づくことが大切ですね。

分かって使う分には、ネットはとっても便利ですが、気づいていないと、ちょっと怖いことになったりします。

 

 

エコーチェンバー現象も同様です。

こちらは、私のように情報を発信する側で起きやすい現象ですね。

 

自分と似た興味関心をもつユーザーをフォローする結果、意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってくるという状況を、閉じた小部屋(反響室:エコーチェンバー)で音が反響する物理現象にたとえたものです。

 

自分の発信した情報に対し、同じ価値観の人からの同質の反応しか無くなり、結果、みんなが支持してくれていると勘違いしてしまいます。

実際は、エコーチェンバーの外側に、真逆の考えの人が多数いたとしても、気付かないということが起きてしまいます。

 

総務省も以下のように警笛を鳴らしていますね。

多様な価値観が大切な今の社会ですが、ネット空間では、フィルターバブル現象や、エコーチェンバー現象により、多様性とは真逆で、自分に近い価値観しか無いように勘違いしがちです。

そんな環境にいて、突然リアルな社会で真逆の価値観の方と出会った時、感情的になりすぎたりするなど弊害がでてしまいます。

 

便利になりすぎることの弊害ではありますが、こうした影の部分についても、知っておいてほしいなと思っています。

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