令和4年の愛知県公立高校入試での定員割れ、学校数は減ったけど人数は増えている! 何が起きてるの?

 

日進市で、主に日進西中学校の生徒を中心に、生徒みずから主体性を持って学び、自分のペースで勉強できる、ICTを活用した自立学習による学びの場を提供している、セルモ日進西小学校前教室 塾長の西尾です。

こちらの記事は、2022年(令和4年)版のものです。

最新の2023年(令和5年)の定員割れ情報はこちらへ

 

今日は、昨年に続いて公立高校の定員割れの拡大が止まらないというお話です。

目次

愛知の公立高校の定員割れが増え続けてます! 2022年度の二次募集は、 2,718人に!

先週金曜日、愛知県の公立高校の合格発表が行われた当日、2次募集が行われる高校が発表されました。

いわゆる「定員割れ」をおこした高校です。

資料はこちら

 

去年一気に1.7倍も増えた2次募集人員、今年はどう推移するかと思って見てみたら、昨年比1.02倍、 2,718人と微増していました。

 

ただ、学校数は、50%を超え、81校もあった昨年に比べ、今年は全体161校の45% 72校と数は減ってはいます。

 

 

 

この6年間の推移をグラフにしてみました。

 

まずは、定員割れした学校数と学科数の推移です。

昨年一気に60%以上もの増加ものの、今年は、少し落ち着きました。

 

 

 

 

2次募集人数については、昨年一気に1.7倍増えましたが、今年は、ほぼ横ばいとなりました。

 

とはいえ、2,718人もの欠員が出ており、これは、5年前の約5倍の人数に当たります。

 

昨年、一気に増えた際は、私立無償化に加え、コロナで早く進学先を決めたいという気持ちなどが絡み合って、増えたのだろうと言われていましたが、今年は、定員を昨年より抑えめにしてあることもあって、定員割れの高校の数、人数ともに減るのではと予想していました。

 

確かに高校数は減ったものの、人数は、わずかですが増えています。

 

この理由は、なんだろうと考えてみましたが、定員割れが継続している学校、割れなくなった学校の差を見てみるとこんな仮説が浮かびました。

 

公立高校の人気の格差がどんどん広がっており、人気校は、以前高い倍率を保つものの、不人気校では、定員割れの人数がどんどん増えているのではないかと考えています。

 

実際、名古屋市内の公立高校での定員割れは、昨年11校だったのに対し今年は6校とほぼ半減しており、ほとんどの高校で定員割れがない状況です。

率にすると、名古屋市内の公立高校33校中6校なので、わずか18%です。

 

 

一方、名古屋市を除く、尾張西部、北部、東部、知多地域合計では、38→39校と高校での入替はある物の、全体では微増となっています。

率にすると、名古屋市を除く、尾張西部、北部、中部、東部、知多地域合計の公立高校72校中39校なので54%と、半数以上が定員割れです。

その中を地域別でみると、11校中9校(82%)も定員割れをしている尾張西部や、逆に、尾張北部のように、17校中 6校(35%)という地域もあり、地域差が大きくなっています。

 

つまり、交通の便もよく、人気の高い名古屋市内の公立高校と、交通の便が悪く人気がない周辺部の高校で、大きく差が出ているという事ですね。

 

 

ちなみにどのレベルの高校が定員割れしたかを見てみると、偏差値50以上、内申28以上を必要とする高校は、ほぼ定員割れがなく、逆に、偏差値50未満、必要内申27以下の高校は、ほとんどが定員割れという状況です。

 

つまり、上位の公立高校は相変わらず激戦で、中下位の公立高校は、一気に誰でも入れる高校になってしまったということです。

 

日進市の生徒たちが通う高校での定員割れは、日進高校、豊明高校で定員割れがありました。

日進市や長久手市などは人口がふえているので、近隣の高校で定員割れは少なかったのですが、それでも、今年は、2校が定員割れを起こしました。

 

1つは毎年定員割れをおこしているの日進高校です。

正直、日進市民でも通うのが大変な場所にあるのと、だれでも入れるからこそ、行きたくないという気持ちになるのかもしれません。

 

昨年5年ぶりに定員割れした豊明高校が2年連続で定員割れをおこしましたが、逆に、2年連続割れていた東郷高校が、制服を一新した効果か、定員割れではなくなりました。

 

 

また、昨年工業、商業で多くの定員割れがありましたが、名古屋市内の高校は名古屋高校工科高校を除き、ほぼ定員割れが無くなりましたね、

 

定員割れが増えている理由は? 今後も増え続ける?

3年分の募集定員、受検者数、平均倍率、実質倍率を表にしてみました。

平成31年 令和2年 令和3年 令和4年
募集定員

(前年比)

42,959人

-815人

42,670人

-289人

41,343人

-1,327人

42,246人

+903人

受検者

(前年比)

45,278人

-1,134人

44,151人

-1,127人

40,961人

-3,190人

41,991人

+1,030人

平均倍率 1.89倍 1.84倍 1.74倍 1.77倍
実質倍率 1.05倍 1.03倍 0.99倍 1.01倍

 

今年は、昨年少子化の影響で大きく減った定員が、今年は、生徒数が多くなったので定員を903人増やしたのに対し、公立を受験する生徒が1,030人とより多く増えたので、定員割れが減る方向になるかと思ったのですが、その影響より人気/不人気の差が大きく影響していると思います。

 

 

10~15年後には、高校25校分相当の生徒が減少! あらためて、少子化の現状を認識しました。

先日、愛知県の公立高校改革について資料が発表がありました。

こちらの記事で詳しく紹介しています。

こちらの資料にあるとおり、今後の少子化を見据えて、高校を大きく減らしていくことになると思います。

小学生以下のお子さんをお持ちの場合は、こちらの資料を見て、地域でどういった再編が検討されているのか、一度確認されておくとよいと思います。

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