いつまで、魚を木に登らせるような教育をし続けるのだろうか。
日進市で、主に日進西中学校の生徒を中心に、生徒みずから主体性を持って学び、自分のペースで勉強できる、ICTを活用した自立学習による学びの場を提供している、セルモ日進西小学校前教室 塾長の西尾です。
本日は、新しい時代の学びの研究を続けている上越教育大学の西川教授の新刊を入手したのでそのレビューをお届けします。
目次
人生100年時代を生き抜く子を育てる!「個別最適化の教育」
学校教育において、「学び合い」の授業を提唱されている、上越教育大学の西川先生の新刊です。
サブタイトルにある、「人生100年時代を生き抜く子を育てる!」とある通り、導入の部分で、これまでの社会と、これからの社会の違いについて、簡単にまとめて紹介されています。
Society5.0とは、どんな社会なのか?
人生100年時代を生き抜く子を育てる!というサブタイトルにある、人生100年時代とはどんな時代でしょうか。
本でも紹介されているのは、Society5.0という時代です。
これまでの、狩猟社会(Society1.0)、農業社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く、時代がSociety5.0です。
具体的には、AIやロボット、自動運転車などが人間の代わりに働き、テクノロジーの進化のあと、人間が何をするのか見えない、近未来の社会です。
多くの仕事は、AIやロボットに奪われるという予測もされていますし、逆に今存在しない新しい仕事が増えるだろうとも言われています。
そんな時代を生き抜く子どもを育てるには、どんな教育が必要なのでしょうか?
工業化社会に適応した教育が未だに行われています
日本の教育は、未だに、工業化社会(Society3.0)に適応した教育が行われています。
規格化された製品を作るように、規格化された教育指導要綱に沿って、子どもたちをまるで工業製品のように全員に同じ教育を施していきます。
中学までの間に子どもたちを成績で振り分け、高校への進学の際、まるで検査結果で製品を振り分けるように、上位の進学校、中位の高校、下位の高校と成績だけによって進学先が決まり、進学先の高校で、さらに、上位の大学、中位の大学、下位の大学、専門学校への進学などに振り分けられていきます。
人口が右肩上がりで増え続け、経済が拡大し続けた、高度成長社会のときは、この手法が成功しました。
しかし、今、人口増加がとまり、成長が泊まった日本では、この教育手法の歪みが吹き出してきています。
そして、これからの人口減が続き、経済の成長も難しくなっていく令和の時代では、確実に、この教育手法では行き詰まりを迎えるでしょう。
以前、アメリカのラッパーの方が、同様にアメリカの工業化社会に適応した教育を批判したビデオを作っていました。
タイトルは、「学校システムを訴える」というものです。
アインシュタインは言った。
「人は誰もが天才である。しかし魚に木を登らせようとするのなら、その魚は一生、自分が愚かだと信じて生きていかなくてはならないだろう」
「私は信じたい。もう2度と、魚が木を登ることを強いられない世界が来ることを」
Society5.0の時代にあった教育とは?
西川教授は、本の中で、Society5.0の時代にあった教育は、今行われている工業化社会に適応した教育の真逆のものになるだろうと指摘しています。
全員が規格化された同じ教育を受けるのではなく、個人に個別最適化された教育が必要だと書かれています。
具体的な手法としては、生徒本人や、保護者が何を学ぶかを自ら決めることだ、と西川教授は書いています。
これまでの学校教育のように、時間割で決められた科目を全て履修する教育ではなく、大学のように、みずから学ぶ科目を選んで学びを深めるような学校教育が必要だと。
確かに、これまでの学校教育では、高校までは、どんな大学に行くにしろ(文系、理系での差異はあれ)ほぼ同じ教育を受けなければいけません。
例外は、工業高校、商業高校といった専門学科を持つ高校です。
専門学科では、普通科目は、必要最低限に抑えられ、その分、みずから学びたいと思う学科(コース)の授業を受けることができます。
最近では、普通科の中でも、少しづつそういったコースを作って、画一的でない学びの提供を模索している高校も増えていますが、選べる学科、時間は圧倒的に少なく、まだまだの印象です。
理想の個別最適化の学びを提供している学校は?
西川教授によると、理想の理想の個別最適化の学びを提供している学校は、広域通信制の高校である「N高校」だそうです。
ここでは、通信制高校の制度を利用し、高校を卒業するのに必要な最低の単位を取れば、残りの時間は、自分で学ぶ内容を決められるという、まさに個別最適化された学びが行える学校になっています。
そして、この高校ができて3年、初の進学実績でも、9名の国公立大学、慶応、早稲田をはじめとする上位の私立大学へも数多くの合格実績を出しています。
それにともない、生徒数も順調に増え、今では、11,000人もの生徒を抱えるマンモス校になっています。
このあたりは、先日の安藤会長のスライドにもありました。
Society5.0の時代にあった学習塾とは?
最後に、この本を読んで、学習塾の経営者として一言。
学校は、変わらなければいけないのがわかっていても、なかなか変われません。
しかし、私教育である学習塾は、塾長の方針一つで、簡単に変わることができます。
そして、この本で必要だとしている、個別最適化の学びを実現できる塾の形態が、今注目されている「自立型学習塾」ではないでしょうか。
その中でも、学びの内容を生徒がみずから決められるセルモのやり方は、まさに、Society5.0の時代にあった学習塾だと私は自負しています。
今回、西川教授の本を読んで、その思いを更に強くしました。
ぜひ、Society5.0の時代にあった学習塾とはどんなものか、一度、見学にいらしてみてください!
無料体験授業で、試してみませんか?
お子さんの主体性を育みながら、高い学力が身につくセルモのパソコン個別学習を無料で体験していただくことができます。
- パソコン学習ってどんなの?
- パソコン学習を、ウチの子はやりたがるかしら?
- パソコン学習の効果は?
どうぞ、体験授業でお確かめください。