愛知の公立王国が崩壊か・・・ 公立高校の半数以上で定員割れを起こしています!
日進市で、主に日進西中学校の生徒を中心に、生徒みずから主体性を持って学び、自分のペースで勉強できる、ICTを活用した自立学習による学びの場を提供している、セルモ日進西小学校前教室 塾長の西尾です。
今日は、公立高校の定員割れの拡大が止まらないというお話です。
目次
愛知の公立高校の定員割れがの拡大が止まらない! 2021年度の二次募集は、半数以上の81校 2,676人に!
木曜日、愛知県の公立高校の合格発表が行われた当日、2次募集が行われる高校が発表されました。
いわゆる「定員割れ」をおこした高校です。
去年も大きく増えていましたが、今年は、更に増えました!
どれくらい増えたかがひと目で分かるように、この5年間の推移をグラフにしてみました。
まずは、定員割れした学校数と学科数の推移です。
昨年まで、少しずつ増えていた感じですが、今年は一気に60%以上もの増加です。
2次募集人数については、1.4倍づつ直線的に増えてきてたのが、今年一気に1.7倍増え、1年で1,116人も増えました。
さらに衝撃的なのは、全学校数にしめる定員割れした学校の割合です。
全日制の公立高校159校に対し、何らかの学科が定員割れした高校の数の割合を計算すると、昨年初めて30%を超えたのに対し、今年は一気に50%を突破しています。
つまり、公立高校の半数、2校に1校が定員割れを起こしているという事実です!
ちなみにどのレベルの高校が定員割れしたかを見てみると、偏差値50以上、内申28以上を必要とする高校は、ほぼ定員割れがなく、逆に、偏差値50未満、必要内申27以下の高校は、ほとんどが定員割れという状況です。
つまり、上位の公立高校は相変わらず激戦で、中下位の公立高校は、一気に誰でも入れる高校になってしまったということです。
日進市の生徒たちが通う高校での定員割れは、日進高校、東郷高校、豊明高校で定員割れがありました。
日進市や長久手しなどは人口がふえているので、近隣の高校で定員割れは少なかったのですが、それでも、今年は、3校が定員割れを起こしました。
1つは毎年定員割れをおこしているの日進高校です。
正直、日進市民でも通うのが大変な場所にあるのと、だれでも入れるからこそ、行きたくないという気持ちになるのかもしれません。
昨年4年ぶりに定員割れを起こした東郷高校が2年連続、また、5年ぶりに豊明高校も定員割れをおこしました。
さらに、工科高校では、トップ校である愛知総合工科高校や名古屋工科高校(旧:名南工業)市立工芸高校が、商業高校でもトップ校の愛知商業、若宮商業、中川商業が定員割れを起こしています。
工業高校、商業高校の共にトップ校が定員割れを起こすなど、専門高校の人気の低迷に拍車がかかっています。
ただ、これらの高校からの大学進学率、就職率の高さを考えると、定員割れを起こしてレベルが下がるのはとってももったいないと思っています。
逆に考えると、普通科に行くより、これらの高校のほうが入りやすく、卒業時もいろいろな選択ができるので「おとく」なのかもしれませんよ。
定員割れが増えている理由は? 今後も増え続ける?
3年分の募集定員、受検者数、平均倍率、実質倍率を表にしてみました。
平成31年 | 令和2年 | 令和3年 | |
募集定員
(前年比) |
42,959人
-815人 |
42,670人
-289人 |
41,343人
-1,327人 |
受検者
(前年比) |
45,278人
-1,134人 |
44,151人
-1,127人 |
40,961人
-3,190人 |
平均倍率 | 1.89倍 | 1.84倍 | 1.74倍 |
実質倍率 | 1.05倍 | 1.03倍 | 0.99倍 |
今年は、少子化の影響で、公立高校全体の定員を1,327人減らしたのに対し、公立を受験する生徒が3,190人も減っています。
これは、積極的に私立を選ぶ生徒が増えてきたのが原因です。
この影響で、実質倍率(公立高校を受験する生徒数÷公立高校全体の定員数)が1倍を切っています。
つまり、人数だけでいうと、高校全入が可能になっていたということです。
それだけ、公立高校の人気が大きく下がってきた証拠ですね。
これまで、愛知県では、公立王国と呼ばれ、公立高校を上に、私立高校を下に見る風潮がありました。
今の保護者世代はまだまだこの公立王国の考え方の中で育った方が多いと思います。
しかし、昨今の私立の無償化や、コロナ禍での対応などをみて、保護者の方々も積極的に私立を選ぶケースが増えてきたと思います。
これまでのように、少子化に合わせて定員を減らしているだけでは、定員割れの拡大は止まりそうにありません。
最初からもっと定員を減らせばいいと思いますが、そこはお役所仕事なので、毎年、少子化で中3人口が減った分にあわせてきっちり定員を減らしているだけで、私立と公立の人数比率は、基本いじっていませんから、結果、私立が受かりにくくなり、公立では定員割れが増える結果となっています。
前例主義のお役所仕事ですから、来年以降も大きく変わることは無いと思っているので、この傾向は、入試改革が予定されている2023年まで続きそうです。
入試改革で、大きく議論が必要ですね
愛知県の公立高校入試の規定では、公立高校入試の2次募集に応募できる条件として以下の通り記載されています。
つまり、滑り止めの私立高校も不合格だった生徒しか2次募集には応募できません。
滑り止めの私立は受かってるけど、公立を落ちた生徒が受けられる制度ではないということに注意が必要です。
で、そんな生徒が、2,676人もいるのか?といえば、NOですね。
昨年も1,560人の二次募集に対し、わずかに68人しか二次募集に応募して合格していませんから。
このあたりについては、2次募集のルールを変えるのか、そもそも、定員割れしないように、高校を再編したり、大きく定員を減らしたりしていくのか。
2年後実施される入試改革に期待したいと思います。
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