世論は政治を動かすことができる! 身の丈発言のその後

日進市で、主に日進西中学校の生徒を中心に、生徒みずから主体性を持って学び、自分のペースで勉強できる、ICTを活用した自立学習による学びの場を提供している、セルモ日進西小学校前教室 塾長の西尾です。

 

今日は、今朝飛び込んできたニュースからお伝えします。

目次

英語民間検定試験、大学入試への導入見送り

今朝の萩生田文部科学大臣の記者会見です。

 

この中で萩生田大臣は「大学入試英語成績提供システム」について、「経済的な状況や居住している地域にかかわらず、ひとしく安心して試験を受けられるような配慮などの準備状況が十分ではないため、来年度からの導入を見送り、延期する」と延べました。

さらに「全体的に不備があることは認めざるを得ず、延期して課題を検証し、どういった点を改善すれば、皆さんが限りなく平等に試験を受けられる環境を作れるかに注力したい。仕組みを含めて抜本的に見直しを図りたい」と述べています。

 

そして英語を「読む力」、「聞く力」に加えて、「話す力」、「書く力」のいわゆる「4技能」の測定について、「英語4技能評価は、グローバル人材の育成のため重要であり、令和6年度実施の大学入試に向けて、文部科学大臣の下に新たに検討会議を設置し、今後1年を目途に結論を出す」と述べ、試験の仕組みを抜本的に見直し、5年後の令和6年度の実施に向けて、改めて検討する考えを示しました。

さらに萩生田大臣は「来年度から開始する『大学入学共通テスト』の記述式問題の導入など大学入試改革については円滑な実施に向けて万全を期する」と述べました。

 

世論が行政(内閣)を動かした!

今回の延期は、萩生田文部科学大臣自身の「身の丈」発言に端を発した、英語の民間試験実施の中止を求める世論の高まりを、内閣(行政)が無視できなくなり、方針を変更することになったものです。

身の丈発言についてはこちらを

 

「身の丈」発言が大きく取り上げられた裏側には、地域的、経済的な不平等や、もともと、目的が違う英語の民間試験を同列に扱う、試験としての不平等さ、さらに、多くの大学受験生が一気に受験するにも関わらず、それらをさばけるかどうか、受験場所は確保できるのか、機材の準備は可能なのかといった、不透明さなど、様々な問題が潜んでおり、それらが一気に噴出した形となりました。

これまでの内閣であれば、こういった問題があっても、強引に、決まったものだからといって、実施してきていましたが、今回は、未来ある若者の入試ということで、影響が大きいと判断したのだと思います。

 

ちょうど、中学では今公民で、三権分立を学びます。

(衆議院のHPより)

国民が三権に対して、国民が直接取れる行動が矢印で書かれています。

次回の期末テストには、絶対にこの絵が出題され、それぞれの矢印の説明を聞かれるので、必ず全ての矢印の意味を答えられるようにしておきましょう!

 

国民から立法(国会)への矢印は、「選挙」 国会議員を選挙で選ぶのでわかりやすいです。

国民から、司法(裁判所)への矢印は、「最高裁判所裁判官の国民審査」 裁判官への信任投票です。

では、国民から行政(内閣)に向けられている矢印「世論」とはどういったものでしょうか?

 

世論は、国民の多数の意見のこと

世論(よろん)・・・社会的争点に対する市民(公衆)の意見の高まりが、討論を経て合意の層を広げ、民意を示す形で政治的影響力をもつ多数意見をいう。(日本大百科全書(ニッポニカ)より)

今回の身の丈発言をうけ、高校生や、保護者、学校関係者、教育関係者の多くが、そもそもこんな経済的、地域的、難易度など、様々な不公平感をもった英語の民間試験を大学入試に必須試験として取り入れることに反対の意見をもち、声を上げ始めました。

実際は、前任の柴山前文部科学大臣のSNSで、「入試改革には大半が批判的です」との意見に対し、「サイレントマジョリティは賛成です」と回答したことで、黙っていると、入試改革に賛成とみなされるから、声を上げよう!という動きがSNS上ですでに起こっていました。

そして、内閣改造で交代した萩生田文部科学大臣が「身の丈」発言をしたことで、一気に世論がヒートアップします。

 

そう、こうした、国民の多数の意見の集まりが「世論」です。

昨今のSNSの利用者の拡大で、世論は、ネット上で大きく成長し、人々の行動を促し、署名や、デモなど、目に見える形での抗議行動にもつながっていきます。

 

そして、今回行政(内閣)は、ついにこの声を無視できなくなり、英語の民間試験の大学入試での利用を延期することを決断しました。

 

これが、先程の、三権分立の国民から行政(内閣)に向けられた「世論」のちからです。

 

中学3年生のみなさんにとっては、世論がどのような働きをするのかを、実際に目の当たりにでき、それにより、自分たちの数年後の入試が変わるのを見届けられたので、とても印象深い出来事だったのではないでしょうか。

 

今習っている公民は、自分たちが今生きている日本がどういった仕組みで動いているかを知ることできる科目です。

しっかりと学んで、将来、同じように行政(内閣)がおかしいと感じたら、世論を動かすか、選挙で考えの近い議員を選ぶなど、しっかり行動できるようにしておきましょう。

 

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